「先生、いつも仁菜のこと話してくれたから。職員室の机に写真飾ってて、“恥ずかしいから内緒な?”って。俺に口止めしてさ……」


「………お父さん、が?」



初めて知る話に胸が張り裂けそうになる。


だって、私はいつもお父さんの気を惹きたくて。

あの日もつまらないヤキモチで怒って。

だけど、本当は。

いつも私のことを見ててくれたなんて。



そんな、嬉しいこと………、




「だから俺はお前の顔見て、名前聞いてすぐにわかった」


「……、」


「俺は、先生のことを忘れたことなんか一度もなかったから」



だけど。