俺の世界は壊れかけていて。

何を言えばいいかわからなくて。

泥ついた気持ちが心を押し潰して。

もがけばもがくほど苦しくて。



それでも、先生は俺のぐちゃぐちゃな気持ちを掬い上げてくれた。



「秋十。気づくのが遅くて、ごめんね?」



先生の優しい瞳と目が合った俺は、ようやく全てを吐き出すように泣いていた。



「秋十は、誰かを守ってあげられる人になるといいよ。きっと、誰かの力になれるから」



先生が俺の心を守ってくれたように。

転校が決まった俺に、先生がくれた言葉。



ーーーずっと、今も俺を支えてる