「教師という教師にいつも見張られてるみたいで、居心地は最悪だった。俺がなにか言えば、目が合えば……、」



ーーーー“桐生くん、嘘ついたらダメよ?”


そう言葉が返ってくるのが当たり前だった……と。


視線を落とす秋十の横顔を見つめていると、子供の頃の秋十が重なって、泣いてるように見える。



「誰も信じてくれなくて、あの頃の俺はきっと……笑わなかったと思う」


「っ、」


「担任の“ 蜷深先生 ”だって、何も言わなかった。ただ……俺のことをーーー俺を、ずっと見てたよ」



ーーー先生だったお父さん。


自分の人生そのものだ……と、子供達と精一杯向き合った、お父さん。


お母さん、私に教えてくれたよね。