「あの夏の日……先生は、お前を探してた」


「っ、」


「先生が死んだのは、お前のせいじゃない。けど、いつまでそうやって逃げるつもり?」



息が止まりそうになる。

記憶に鍵をかけて思い出さないようにしてきた。

私だけの秘密だった。



どうして、秋十がそれを知ってるの?



「……せ、先生って。なんで……お父さんのことを、先生なんて言い方するの……?」



口を衝いて出た自分の声が震えていた。


だけど、たった一つ。



ーーー気づいてしまったことがある。



「ーーー先生は、俺の担任だったから」



きみは、


私のお父さんをとてもよく知ってるということを。