流れるように向けられた瞳は再び真剣さを宿す。



「好きだ」


「っ、」



二人きりの教室に颯太の声が響いた。


こんな颯太の顔を私は見たことない……。


まるで、私が好きだって言われたみたい。


それくらい、真面目な顔をしていた。



「………告白、しないの?」



颯太はカバンを持つとそっと立ち上がる。



「しねぇよ……」



颯太の横顔が自慢のゆるふわパーマで隠れる。



「どうして………?」



胸がキューッと音を立てる。

立ち去ろうとする颯太の顔を追いかけるように見上げれば、



「友達の壁ぶっ壊すのが怖いから……」