「なんで?颯太が好きそうな子なのに?」
「オレが好きなのはそういうんじゃねぇし」
「好きなのはって、もっとレベル高い子……?」
だって、それだけのモテ要素を兼ね備えた子なのに、颯太が断るなんて……。
「全然。胸もねぇしモテないし、素直じゃないし、すぐムキになるし」
「ちょっとそれって……失礼だけどいいところなんて、一つもないって言ってるみたいだけど……、」
机を挟んだ颯太は口許を緩めて微笑する。
ふわりと、眉を下げて私を見る。
「あるよ。オレのことは、名前で呼んでくれんの」
颯太のことは………。
なぜか心臓の辺りがざわざわする。
「み、みんな呼んでるじゃん……」
「そうかもな?」
「颯太は、その子が好きなの……?」