ひーちゃんがチャラいなんて言うのは女の子の友達が多いからだけど。


それだけ颯太に話を聞いてもらいたい子がたくさんいて、颯太に惹かれている子がいるんだと思う。


私もそのうちの一人。


どれだけ愚痴っても、どれだけ凹んでも、いつも颯太が笑い飛ばしてくれた。


八重歯の見える無邪気な笑顔を見ると、私まで笑ってしまう。


だから颯太の隣は居心地がよかった。


いつも、いつも……。



「……あ、ニーナ！てめぇ、大魔王のことが好きって認めるのが嫌なんだろー？まぁ、そりゃ悔しいもんなぁ？」



私が答えに詰まっていると颯太はお茶らけた声をあげてケラケラ笑った。


わざと嫌味な言い方をして……。

こうやって笑い飛ばしてくれる。　



「も、もうっ、からかわないでよ……好きなわけ、ないじゃん……」



苦笑いを零すと胸がキュッと苦しくなった。