「いや、今日よ
ここでハルトが
赤ん坊見ながら ―――
ベランダから外見てたんだけど
…突然、こういう泣き方じゃなくて
わかんのかなあ
赤ん坊でも、黄昏の空気っつか」
「…考えすぎだろ
それよりごめんな
うるさくして」
「そんなでもねえぞ
ハルトいる間は、コイツ泣かねえし」
「違う、ほら…
それでも泣けば大声だし
こんな集合住宅で、夜中だから」
「うち防音だし、気にすんな」
「そ…うなのか」
「それよりもよ
どう泣き止ませるか考えようぜ」
「ミルクは?」
「もちろんハルトが飲ませてる」
「…つか」
「何だよ」
「なんか…香ばしいというか
…やばい香りがしないか?」
「オメエ 鼻いいな」
「―――…やるしかないのか」