なんとなく君に恋をしてのレビュー一覧
5.0
なんとなく、を繰り返す日々。
それは普通の日々なんだけれど、あえて“なんとなく”と言ってしまうとどことなくだらけて見えてしまう……ように感じること、ありますね。
この主人公もまさにそうで、なんとなく卒業後の進路は家事手伝い。なんとなく実家暮らしのまま、なんとなく付き合い始めた人と、なんとなく続いてて……
だけども思うのは、なんとなくでも自分で選んでいるんだよね、てことです。世の中の多くの人は似たようなものだと思います。もちろん、すごく悩んだり大きな決断をする人もいるでしょう。そんなときもあるでしょう。けれど、哲生の言うように、そんな日々ばかりでは疲れてしまう。日常はなんとなくの積み重ね、それでいいのだと思います。大切なのは、そんな自分を時には肯定してあげることなのかも。それは甘えとは違うんだとおもいます。
明確に好きになる瞬間がなくたって、なんとなくでも素敵な恋は生まれるのでしょう。
田舎町で
なんとなく実家の手伝いをしながらそこに就職
なんとなく彼と出会って付き合ってしまう。
自分はいったいなんだろう
なんとなく流されて過ごしている。
人が輝いて見える
目標を持って頑張ってる人と比べると凹んでしまう主人公。
でも違うんですよ。
精一杯彼女はその場で頑張っている。
きちんと
愛情深く見ている人は見ている。
そんなドラマのような愛情や毎日なんていらない。
ただなんとなくでいいんだよ。
そのままの君が好き。
描写も気持ちも丁寧で
情景が目に浮かび
主人公の戸惑いが届く素敵なお話です。
ぜひ
おススメします。
山間の田舎の町。家業手伝いをする香埜子。
変わらない毎日を送りながら、なんとなく暮らし、なんとなく満たされている。
そんななんとなくな暮らしの中でなんとなく不安が首をもたげる。
彼氏はいる(でも、若い人がいないからなんとなく付き合っているのかもしれない)
仕事もある(でも、家業だからなんとなく着いた仕事ではある)
他の世界を知らない香埜子には比べる対象がないからわからないのです。
自分がどれだけ頑張ってる素敵な女の子なのか。
なんとなく始めたものも積み重ねたならば大きなもの。
それを伝える彼の言葉はとてもドラマティックです。
ほのぼのと二人を見守りたくなる素敵なラブストーリーです。