「待って。うゎ。俺何してんだよ。

ごめん。カレン。
でも待って。話したいんだ。」


「話すことないんで。

ルナにはこの事秘密にしておきます。」


早く離して。

拭った涙がもうすでに 溢れそう。


「そうじゃない。ルナちゃんには今日言ったから。付き合えないって。」


その事実は今の私は喜べない。

なんで こんな人。

好きになったんだろう。

普段チャラくて、女の子みんなに優しいこいつ。


無理矢理キスまでするようなやつを。


嫌いになれるチャンスだ。


そう思うのに我慢できない涙が止まらない。


「すみません。本当に離してください。」


泣き顔なんて見られたくない。

強がりも何もかもバレてしまうから。


「本当にごめん。離すから約束して。

明日バイト俺 休みだけど。
カレンのこと迎えに行くから。話そうよ。」


「分かりました。」


手が再び離れた瞬間に走って。

そして家に帰って 部屋の枕に顔を埋めて泣いた。