妙な遭遇をしてしまった次の日。

朝の教室はいつもざわついてるけど、今日はいつもと事情が違った。



「昨日さ、ヒロトくん・・・」

「聞いた聞いた。上級生ぼっこぼこにしたって」

「血だらけだったらしいよ」

「相手が?」

「どっちも」

「すっご・・・」

「学校で流血沙汰だもんね・・・退学?」

「どうだろ。そこまでいくかなぁ」

「怖いね・・・」

「でもかっこよくない?」

「えー」



クラスの女の子たちが顔を寄せ合ってささやいている。

でも内容まる聞こえだから。



「ヒロト」の単語が簡単に耳に入ってくるところを見ると、どうもあたしもかなり彼を意識してるみたいだ。