「でも気をつけなね。ヒロト君、あんまりイイうわさ聞かないし」

「え。気をつけるって何を」

「目をつけられるなってことさ」

「それ自分じゃどうしようもないんじゃ…」

「…ドンマイ!」

「ユナ~…」




関係なしとばかりに片手をあげるユナを小突く。

大きく笑ったユナは、あたしに向かってこぶしを突き出した。




「いざとなったら呼びなさい、親友!」

「了解!マイフレンド!」




こつんとこぶしを当てて笑いあう。

チャイムが鳴るのを背に聴いて、あたしたちは教室に戻った。






物陰に、人がいたことなんて知らずに。