「あんたすごいわ」

「はぁ?なにが」

「なにがって…ほんっとにウワサ知らないんだねぇ…」

「し、知ってなくて悪かったね!!」



完全に馬鹿にしてるし。

実際知らなかったから何ともいい返しのしようもないけど、よっぽど広まってるうわさのようだ。



「ま、そこがアオイらしいといえばアオイらしいけど」

「どうも。でも全然誉められてる気がしない」

「ほめてないから☆」

「ぶぅーーー!」



思いっきり頬に空気を入れてふくれっ面。

指で押されて空気が音もなく漏れる。

食べ終わったお弁当を片づけて、どちらともなく立ち上がった。