「はーっ、疲れた……」
家に戻った俺はパパッと服を脱ぎ捨て、ラフな服装へと着替えた。
あー、やっぱこっちのほうがうごきやすい。
「さて、ログインすっか」
俺はノートパソコンを開き、ゲームにログインする。
「お、イベントやってんな~」
しばらく色々なイベント情報を見た俺はあるチャットに入った。画面が変わり森が現れ、そこには男女のアバターが先に入っていた。
『あ、こんばんはです~(*・∀・*)ノ
アキさん』
『こんばんは、マイ』
可愛い顔のエルフの少女のアバターの頭の上にメッセージが浮かぶ。
マイ。lv.56と結構強いんだが、イベントだけはどうしても弱い。
『おつっす』
『おっ、リュウ元気か?』
『元気っす』
リュウも相変わらずそっけねーなー。コイツはマイとレベルが変わんないくせに全国大会で優勝するくらい強い。
と、突然マイが話さなくなった。
『どうした?マイ』
驚いた俺はメッセージを送信するが、返信はこない。
リュウも確認をとるが返事がない。
まさかマイの身に何かあったのか?

『ど、どどどうしよーっ‼』
あ、 戻ってきた。
『どうした?マイ。何があった?』
『お、お兄ちゃん、殴っちゃったぁあ……Σ(ノд<)』
「はぁ⁉あ、兄を殴った⁉」
なんつー怪力………。
『病院には電話した?』
すかさずリュウが確認を取る。
『したよぉ…でも、お兄ちゃんが起きないぃぃ…( ;∀;)』
『取りあえず待ってろ。俺も行くから。アキさんすいません』
リュウはそういうとログアウトし、しばらくしてマイも消える。
二人共付き合ってんのか?リュウが行くって言った辺り。
「こっちもこっちで青春してんな……」
若いっていいわ。ってか、俺まだ20代だけど。と、そこで携帯が鳴った。
「またかよ……」
送信主はわかっている。
『もしもし?』
『あ~き~ら~っ‼お前今日合コン行くって約束しただろうが‼』
電話相手は、木谷 和哉。俺と同じ大学に通う二年生で女好き。それで合コンに行っているが、まだ誰とも付き合ってない。行ってる意味あるのかそれ?
『しょうがねぇだろ。バイトもあったし、ゲームしたかったし』
『お前なぁ~、だから彼女1人出来ねぇんだよ』
そう、俺はゲームが好きと言う理由で彼女が出来たことがない。
『別に不自由してねぇよ』
いたって何すんだよ?デート、とかはめんどくさいし、話は俺がゲームのことしかわかんねぇし……。
『俺お前の将来が心配だ…』
『おかんか』
『ってか、お前また告られてたろ』
コイツ図書館裏の見てたのかよ。
『あぁ、断った』
『もったいねぇ‼あんな可愛い子滅多にいないぞ‼』
あ、変なスイッチ入ったなこれ。
そこから和哉は二時間ほど、女に関する話を延々と喋り続けた。
すげぇ、気持ちわりぃ……