温かいミルクを飲みながら、三人に今までのことを話した。


高校が違う山下くんと藤本くんは、本多くんに直接会ったことはないらしく、合間に三成がちょくちょく説明を加えながら、話はようやく最後まで進み。



「あとは、どうやって黒蘭に攻め込むかだな」



三成の暗い声が落ちた。



「まずは青藍の倉庫に行くことが先決なんじゃない?全員が全員、立てなくなるまでやられたわけでもないだろうし、少しでも動けるやつはみんな連れてくしかない」



山下くんが冷静に話を進める。



「普通に考えて、本多クンが敵の陣地に一人で、ってのはいくら強くても勝ち目がないよね。すぐにでも応戦しないとやばい気がするけど」

「いや、その必要はねぇ」



三成が遮った。



「黒蘭会の暗黙の規則で、でかい喧嘩は夜中にしかできねぇって決まりがあんだ。あと2時間もすりゃ夜が明ける。喧嘩が始まんのは、おそらく今から12時間以上経ったあとだ」



ということは、つまり、今のうちに戦力になる人を集めなければならない。



「てか結局、中島ってのは敵なわけ?」



藤本くんが首を傾げながらあたしを見る。


起こった出来事をありのまま話しただけだから、中島くんが敵なのか味方なのか、疑問に思うのは当然で。


どちらだとも言い切れないのは、あたし自身も迷っているから。


中島くんの目的が分からない。

それでも……


「あたしは信じてます……」