私は『佐々木 美優(ささき みゆ)』
春にここ桜坂高校にやってきた高校1年生。
中学校ではバレーボール部のエースとして活躍してきた。高校でもバレーボール部に所属している。


「ふぁーー。おはよーう」
「あら、美優。起きるの遅いわよ」
「大丈夫ー。間に合うから」
「そんなこと言ってー。またご飯食べれないわよ?」
佐々木家は毎朝ばたばたしている。
私は三姉妹の1番下。
お姉ちゃんがふたりいる。

「みーゆー、おっはよーーーー!」
「朝からテンション高いよ、咲」
「あんたが低いんでしょ!!!」
そう言ってばしばし私の背中を叩く4つ離れたお姉ちゃん、『佐々木 咲(ささき さき)』

「2人とも朝からうるさい。」
「うるさいのは咲だけだよ。」
「咲。うるさい静かにして。」
「もぉー!2人とも朝だけはテンション低いんだから〜!!」
咲はいつも私の8つ離れたお姉ちゃん、『佐々木 理子(ささき りこ)』に怒られてる。


出る時間は私が一番遅い。
だから出る時はすごく静かだ。


「行ってきまぁす」
バタン
ガチャ

「あっ!!!!」
鍵をかけて歩き出した時今日が月曜日だということを思い出した。
私の学校桜坂高校は毎週月曜日は全校集会だ。だからいつもより朝のHRの時間が20分ほど早く始まる。
家から学校はそれほど離れてはいない。
だが、行きは上り坂が多く走るのはきつい。
でも全校集会に遅れる訳にはいかない。

キーンコーンカーンコーン

HRの始まるチャイムが聞こえた。
もちろんまだ校門にもついていない。

やっと坂の上までやってきた。
今日はとてもいい天気だから
富士山がよく見える。
「きれいだな〜!!…って!そんなことしてる暇ないんだった!!!」

いけない、ゆっくりしてしまった。
またまた走り出す。
あと少しで校門だ。


ガラガラ

「はぁ、はぁ、はぁ、す、すみませ…はぁ」
「おぉーい、遅刻だぞ佐々木。」
「はい、はぁはぁ、」
「まあ、いい早く席につけ」
担任の『岡田友人(おかだ ゆうじ)』は結構厳しい人だが私にはなぜかゆるい。
だからクラスメイトに羨ましがられてる。


「みゆ!来ないかと思ったよ〜!!
朝いなくて寂しかったんだからぁぁぁ〜」
と、私の前の席に座る私の1番の友達。『高木 夢(たかぎ ゆめ)』
夢はすごーく心配性だけど友達思いで明るくてとってもいい子。
「ごめんごめん〜!月曜日だってこと忘れてて…えへへ笑」
「えへへ笑……じゃないよー!!!
まあ、可愛いから許す。」
「やった!ありがとうー!!!」
夢は私のことを可愛いと言う。
実際はそんなことないと思うんだけど…
ま、許してもらえたからいっか…
って思ってることは内緒。