「今日は遅いんですね。待ちくたびれちゃいました」
少しむくれながら荷物を開ける君がとても可愛らしいとは言えない。
「ここを配り終えたらお昼にしようと思って...良かったら一緒に食べませんか?...あっ、迷惑ならいいんです!あの...」
慌てた僕の顔が面白かったのか、クスクスと口を隠しながら笑う君がとてもいじらしい。
「いいですよ。ちょうど気になっていたカフェが近くに出来たんですけど良かったらご一緒してください」
逆に誘われてしまうような形になってしまい、きまりが悪いのは僕だけだろう。
「あ...はい」
赤くなった顔を隠すように僕は下を向いた。
するとまだ、クスクス笑う君の声が上から聞こえた気がした。