……そろそろ帰るか。

鞄を持ち、学校を後にする。

街並みはすっかりバレンタイン一色。

バレンタイン…か。

きっと、希恵は俺にはくれないだろう。

好きな男にでも渡すのか。


チクッ――…


振られたんだからくれるわけないか……。

胸が……チクチクする。

痛ぇ。