そう言った時だった。

ドアからあくびをしながら入ってくる慶樹の姿。


――ドキンッ…


だめだ……慶樹を見ただけで泣きそうになる。

決めた事が揺らいでしまう。


「はよ」

「お、おはよ」


慶樹と挨拶を出来るなんて思ってもみなかった。