その幼なじみと私は毎日登校を共にしている。

その幼なじみの名は、神崎 慶樹(かんざき よしき)。


「さっむ。風邪ひきそう」


慶樹はマフラーに顔を埋めるとポケットに手を突っ込んだ。


「もうすぐ……バレンタインだね」


何気なく言ってみた。

それには理由がある。


「あー。そう言えばだな」