ドサッ…!

足元に降ろされた、小さな足の持ち主は目の前の4人が自分に向ける視線から逃れるように俯いたまま、汚れた口元を乱暴に自分の腕で拭った。

「やだ…汚い……」

マリエがポツリと声を漏らした。

1度だけマリエの顔を見ると、小さな足の持ち主は直ぐにうつむき、一気に立ち上がり4人の間をすり抜けて走り出した。

あまりに突然走り去った小さな体を4人はただなすすべもなく見送った。