「大丈夫ですか?」

山下の、登場にフッと冷静さを取り戻し、軽く手を上げて紅茶を頼むと面食らって立っている信也に視線を戻した。

「悪い…」
「んだよ……、びっくりさせんじゃねぇよ……」

普段はあまり、感情を表に出さない直人のイラつきに、一瞬戸惑った信也が、ホッと息をつき直人のデスクの前にあるソファーに深く腰かけた。

「で…?あん時の子供がどうしたって?又、面倒くせぇ事になってんじゃないよな?」

「ふぅ…………」

直人が大きく息をはくと、湯気の立っているティーポットとカップをトレーに乗せた山下が、部屋に入って来る。

山下が、紅茶をサーブする間に直人は、今日の学校での事とコンビニでの話を一通り話した。

「マジかよ!で、お前家まで送って帰って来たって事かよ?」