美結の思いがけない一言に、直人はフッと唇を緩めて食パンを軽くポンポンと叩いた。

「旨そうだな……」
「うんっ!」

美結も、直人の表情を真似したようにフッと笑い、嬉しそうに買ったばかりの食パンを、新しい玩具でも見るように、眺めていた。

もう一度、美結をアパートまで送り、今度こそ自分も会社に戻った。