そんな美結の姿に、直人の女子高生に向けられた苛立ちもすっかり消し去られた。

仕方なく直人もキョロキョロと100円玉を探して、少し離れた、アイスの冷凍庫の下に、その影を見付けた。

ツカツカと足早に100円玉を拾うと、美結の手に戻してやる。

ほっと安心したように、今度は、堂々と列に並んだ美結の横顔が少しだけ笑っているように見えた。


コンビニを出て車に戻った美結に、さっきの違和感をぶつけてみる。

「オマエ、晩飯ってこれだけなの?」

直人の言葉が美結の鼓膜には、ちゃんと届いたが返答を思案しているように見えた。

「う、うん……」

直人が暫く美結の答えに固まっていると、ハッと何かを思い付いたように、美結か勢いよく顔を上げた。

「明日の朝と、夜の分3回分だよ!」