「おいっ!おいっ!…起きろよ!大道すず!!」

ん?私の名前を呼んでいるのはだれ…?
まだ、記憶が曖昧だ。

「…おいっ!大丈夫か?」

「はっ!…ここどこ?ごめんさいっ!許してください。お願いだから、何もしないで。」

怖い怖い怖いーーーーーーー

「おまえ、何言ってんの。起きろよ!ここは、保健室だぞ。」

えっ!?
いままで、ボヤけていた景色が、鮮明になってきた。

…ほっほけんしつ。かぁー、なーんだ

「おまえ、大丈夫か?ずいぶん、うなされていたようだけど」

「はっ!あっ。…あの、ごめんなさい、王慶くん、ですよねっ」

目の前の人、そう、王慶悠は紛れもなく、私を見ている。

「そう、おれ王慶悠だけど。もう、大丈夫なんだろ?」

はぁ、やっぱり王慶悠くんなのかぁー!
イケメンすぎるなぁー、なーんて、馬鹿な私は、イケメンをじーと見てしまった。

「なに??」

はっ!見すぎてた、、、恥ずかしっ

「な、なんでもないし。っていうか、もう、大丈夫なんで、。」

ついつい、心とは反対に、そんなことを口走ってしまう。はぁ、最悪だよ。

「そう、ならいいけど」

王慶悠は、何もいにしていない様子で、保健室を去ろうとする。

あっ!まってよ。
せめて、お礼くらい…

「あっ、あの!まってよ。
………あ、りがと、、、う。」

よかったぁ、お礼くらい常識よねっ。

「悪いけど、別に、助けようとしたわけじゃたいから。あと、勘違いしないでね。」

彼は、冷たい目で、そう呟いた。

なによ?この人、偉そうに…

「はっ?!別に勘違いとか、絶対にないので大丈夫です。それに、余計なお世話でした。私は…なるべく、人と関わりくないんです。この件は、内緒にしておいて、くたさい。」

ふぅ!少し早口だったかなぁ~

彼の整った顔に、一気に眉間のシワがよる。

ひぃーーーーー、怖いですぅ〜!

「…あっそう。」

彼は、興味なさげに、そう呟き、保健室からでていこうとした。

「ねぇ、」

「な、なに、!」

「……」

「……」

なによっ!

「おまえさ、自分を隠してるだろ。」

えっ。


彼は、それだけ残すと静かに部屋からでていったのだった。