「なんでだよ。遥生が倒れたらどうすんの?」
もしも遥がまた倒れたら……なんて、そんなことは想像したくもない。
でも、でもね。それでも私達は今離れるべきなの。
このまま依存関係を続けてしまったら、高校を卒業してからが大変なんだ。
私は卒業後の進路を決めていないから、きっとまた遥に左右されながら人生を歩んでいくんだろう。
でもそれは、間違ってるんだって。今なら確かにわかるから。
「薬は持たせてあるから大丈夫。それに、いざとなったら桜庭くんもいるから」
「は?俺は何も……」
わかってるの。桜庭くんに任せる、なんて本気で思ってるわけじゃない。
でもこれは、今の私達にとって必要な溝なの。これからの人生にとって、とても大切な分岐点。
そんな選択をして、私は今歩いてるの。