だから、私を求める人なんて、必要とする人なんていない。



だけど不思議と、その事実に疑問は感じなかった。




それでも私だってひとりの人間。親にくらいは認めてもらいたかった。



本当に遥を守ることが、私の生きる意味なのかな。



私はそれ以外で必要とされることはないんだろうか。




そう考えたこともあったけど、やっぱり行きつく答えはいつも同じで。



私は “ いらない存在 ” だから、それくらいしか役目がないのなら。ただそれに全力を尽くすだけ。



それ以上もそれ以下の答えも出なかった。やっぱり私は、言いなりだ。




「お母さん、僕は大丈夫だよ」



「もう、遥生は無理しなくていいのよ」



遥はそう言っていつも私に遠慮してくれてるけど、お母さんはいつも遥に甘い。



別にだからどうってわけじゃないし、羨ましいわけでもないけど。