「おい!」
後ろから、声をかけられた。この声のかけられ方は……昨日と同じ。
ってことは、もしかして……。
そこまで考えて振り向くと、案の定そこには昨日私を呼びに来た彼の姿があった。
「よっ。遥生、あの後大丈夫だった?」
あの後、というのは。おそらく病院へ行ってからのことだろう。
昨日は急いでいたからなのか緊迫感しか伝わらなかったけど、今見たらかなり整った顔立ちをしている。というのが彼の印象。
「あ……はい」
まだ病院なんですけどね、と付け足した言葉を聞く前に、彼はとても嬉しそうな顔をする。
「そっか、それならいいけどよ」
やっぱり、遥の友達って昔からこういう人が多いんだよね。
優しくて気が利いて、人気者。類は友を呼ぶ、とはまさにこのことだ。