◇◆◇
そして、次の日の朝。
4時半に起きてご飯を作り始め、私だけ一足先に朝ご飯を食べる。
これは私達にとっては当たり前のことで、お父さんとお母さんが離婚してからはずっと私が食事の準備をしている。
私達が中学1年生のときに離婚したふたり。
離婚する前まではお母さんが毎日働きながら作っていたけど、それからはご飯を作るのは私の仕事。
もちろん遥も手伝おうとしてくれるけど、無理すると体に良くない、ということで控えてもらってる。
食器洗いや洗濯、掃除は手伝ってもらうこともあるけど、私としてはあまり遥にやらせたくない。
お母さんは仕事で唯一の収入を得ているし、遥はしたくてもできない体。
だから、私が全てを請け負うしか方法はないの。
学校へ行く準備を始める前に、遥とお母さんの部屋へ寄ってふたりを起こす。
これも、毎日1番早く起きる私の仕事。
「んっ……琴……おは、よう」
いつも目覚めが悪い遥は、なかなか起きられず私にしがみついたままで。
「学校遅れるよ」と言うと慌てて飛び起きる。