「……もう、最悪」
「高校って最高!」
いつも入学式の帰り道には真逆の言動をするのが、私達のお決まりの様子となっている。
遥はもうきっと友達もたくさんできたんだろうな。さぞ楽しい1日になったんだろう。
対して私は最悪な日だった。どうしてこうも上手くいかないんだろうか。
もちろん、自分から努力しなくても友達がつくれるとは思ってない。でも、どうして神様はこんなにも難しい試練ばかり与えるのだろう。
さかのぼること、数時間前─────。
◆◇◆
周りはどこを見ても人、人、人。教室に入った瞬間、視線が全て人で埋め尽くされたほどだ。
でも、そのたくさんの人がいる中で、私は誰の目にも映らない。視界にも入れないんだ。
今見た限り、中学で見覚えのある人はいる。でも、私がその人達と話す日なんて一生やってこないだろう。
だって疫病神なんだ。誰の役にも立てないんだ。そんな私と話したって意味がない。