私は人混みが大の苦手。昔から人と接することも苦手で、みんなと距離を置いてきた。



友達がいらないわけじゃない。ひとりでいたいわけでもない。



むしろ、ひとりでいるのは嫌い。でも現実はそう上手くいかなくて、今まで友達なんてできた試しがない。




話しかけてくれる友達はいた。でも、私の態度が気に入らなくて、みんなだんだんと遠ざかっていく。



話しかけてくれる人も、気にかけてくれる人もいない。何もない空間に、私だけが取り残されたみたいだった。



そんなとき、私の縋れるところは遥だけだった。私にとって遥は、唯一の居場所だったんだ。




今思えば、そのときも既に始まっていたのかもしれない。まだ私達が幼くて気づかなかっただけで。



あの悪夢が。私だけがいないあの世界は、動いていたんだ。




私と遥の関係は、仲のいい姉弟に見えて実際はそうじゃない。



お互いがいないと生きていけない。ひとりじゃ何もできない。




────依存関係、なんだ。