「産もう……。」



「え…?」



俺は決めた。
あきの腹にいる
子供の父親になる事を…。



「幹斗…?」



「結婚しよう…。」



優に言いたかった言葉…



「いいの…?」



「あぁ。」




「ごめんなさいッ……」



泣いて震えている
あきを優しく
抱き締める。

俺は静かに泣いた…。
もう二度と優には
会えない。
優を幸せにできなかった
悔しさや
これから優が
違う奴に触られる…
違う奴に幸せにされる…
スゲェ悔しかった…。

もう二度と
あの優しい優の
笑顔を見る事は出来ない。



「あき…幸せになろうな。」


耳元で
そう呟いた。
あきは泣いて
声が出せないのか
何度も大きく
うなずいていた……。