「華乃ちゃんお疲れ!また明日ね!」

「はい!お疲れ様でした!」


仕事を終え、店の裏口で店長と別れて車に向かっていると、


「華乃!」

「──!」


だ、誰っ?!


街灯や近くのお店の明かりだけの暗い中で一人。男の人に名前を呼ばれ驚いた。


辺りを見回すと、わたしの車の脇から人影が。


近づくにつれて顔がはっきり見え、ようやく誰かが認識できた。


「…何の用?」

「んな怖い顔すんなって。取って食ったりしねぇから」

「当たり前じゃ!ていうかいつからストーカーになった!」


それは会いたくもないくそ男、崇憲の姿。


マジでなんなのこいつ。電話もメールもほぼシカトしてるのに。