なまじ嫉妬なんて初めての経験だからか、普通以上に無駄に妬いてる気がする。

まさかこの俺が本気で嫉妬する日がくるなんて、少し前までは思いもしなかった。

あの女のせいで俺の理念が狂わされっぱなしだ。


まず女に愛情を感じることがなかったからな。俺でも人を愛することができると、華乃に教えてもらったんだ。


これを機に俺は色んな意味ででかい男になって、今以上にいい男になってやる。


華乃のことが気がかりではあるけど、一ヶ月やそこらでだめになるような関係じゃそれこそ結婚したって無駄足だ。


それも確認できるし、俺らにはちょうど良かったかもしれない。


よし。


携帯の画面に華乃の番号を映し出し、俺は電話を掛けた。


…つーか、眠……。