「シャンとしなさい!最後の便なんだから遅れられないわよ!」

「はあ?!」


いきなり目が覚めたわ!今から行くだ?!ありえねぇ!


「あなたとわたしの荷物は、もう家政婦の山内さんが準備しておいてくれてるから大丈夫よ」

「用意周到だな!ってそういう問題じゃねぇだろ!」

「まあ、あなたが急いでいるみたいだったからわたしも都合をつけたのよ。わたしだって忙しいのに」

「それはありがたいけど、物事には色々と」

「いいから早くして!お父様にも許可を得たんだから!これで間に合わなかったら全て台無しよ!」

「はあ?!」


上着を羽織り、麻友ちゃんが颯爽と社長室から出ていく。


「うわ、ありえねぇ…」


これ、人間扱いされてねぇよな。


「龍成!」

「わかったよ!!」


あ゛ー!!

もう四の五の言ってられねぇ!!


やるしかねぇ、死ぬ気でいくぞ!!