「……。」


言葉もなく、座っていた椅子にもたれ天井を仰ぐ。


……なんだこれ。

自分のしていることが正しいのかわからなくなってきた。

自分で自分の首を絞めてる気がするのはなぜなんだろう。


…なんかな。思うようにうまくいかない。思い通りにならない。


無性にイラつき出しそうになるが、昨日の華乃を思い出す。


「……やるしかねぇな」


大きく息を吐き、机の上の資料を手にし、ページをめくっていく。


でも並べ連ねられた文字がすんなり頭に入るわけはなかった。


今が頑張り時だ。今頑張らないと、華乃を幸せにすることはできない。

華乃を幸せにできるのは俺しかいないんだ。


何度も何度も、執拗に自分に言い聞かせる。

体が悲鳴を上げても、止まってはいられない。一度でも立ち止まってしまったら、全てが終わってしまう気がするから。


俺は気力だけで、ひたすら仕事をこなしていった。