「結婚したいからだよ!普通に考えてプライベートの時間がなさすぎだろ!これじゃうまくいくものもいかなくなるっつーの!」

「あら、仕事でだめになるような関係なの?」


……。


ちくしょう、痛いところをつきやがる。


「そんなんじゃねぇよ。仕事の疲れで華乃の相手がまともにできないんだよ」

「それも理解してくださるでしょう?次期社長夫人なんだもの」

「だからって何もここまで仕事を詰め込まなくても」

「今までのあなたの行いが仇になったと思いなさい。始めが肝心なのよ。今頑張らないと」


くそ、痛いところばかり責めてきやがる。


「んなこと言われなくてもわかってんだよ!だから文句言いながらもやることはやってきただろ!俺が言いたいのは、少しは譲歩しろってことだよ!」

「譲歩?」


麻友ちゃんが不思議そうな顔をする。


「…あとどれくらい死ぬ思いをすればまともに休ませてくれんだよ」

「…龍成…」