……胸の中が、何とも言葉にし難い感情で埋め尽くされる。


その上で、思うことは一つだけ。


俺は何が何でも華乃を幸せにする。もちろん、俺自身の手で。

そう全身に刻みつけて俺は生きていく。


パーキングに停めてある車のリアシートのドアを開け、華乃を乗せる。


「…ん…」


少し眉間にしわを寄せるも、すぐに小さな寝息が聞こえる。


……やっぱ寝てやがる。


上着を脱いで華乃に優しく被せた。


「馬鹿女。見てろよ。一緒に暮らし始めたら毎晩飲ませてやっからな」 

「んがっ…」


心地よさそうに眠る華乃の鼻をつまみ呟いて、俺は代行会社に電話を掛けた。


「──さぶっ!!」