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「──ということで、もう一度練り直してください。案は悪くはありませんのでね」

「「「「「はいっ!」」」」」

「ではこれで終了します」

「「「「「ありがとうございました!!」」」」」


ようやく終了し、寝ぼけ眼で社長室へ戻る。


時計を見ると夜八時過ぎ。もう疲れたわ。帰りてぇ……。


「お疲れ様。今のプレゼンの感想を書いたら今日は終わりでいいわよ」

「眠くて頭回んねぇよ」

「しっかりしなさい!あなた父親になるのよ?!わかってるの?!」

「わかってっから!大体、今日のスケジュールありえねぇだろ!朝九時出社、九時半に麻友ちゃんの来客の付き添い、昼には上層部と飯食って二時には親父に付き添って子会社の視察、五時にプレゼン……殺す気か!」


プレゼンだって間に合わなくて途中参加だったってのに!


「若いんだからもっと体力つけなさい」

「そういう問題じゃねぇだろ!」

「父親になる自覚が足りないのね。もうすぐでしょう?予定日」

「だからそういう問題じゃ……あと一週間だよ」

「いつ連絡がきてもいいようにしてなさいね」

「今までプレゼンだったっつーのに何言ってやがる。ただでさえ今日は携帯見る暇なんてなかったよ」


……と、数時間ぶりに携帯を覗くと、不在着信とメールが。