『わたしは妊娠中に旦那に浮気をされました』

『わたしもです!』

『やっぱり妊娠中だと相手ができないから、外で女を作るんですかね』

『男は性欲を処理しないといけない生き物ですものね』

『それはそうかもしれないけど、風俗に行かれるのも嫌だし、不倫もできたらしないでほしい』

『でも常に奥さん一筋って男性の方が断然少ないですよ』

『確かに!』

『わたしだって本番は無理だけど、旦那の性欲の処理、頑張ってたのにな』

『ん~、だけど浮気しないっていうか、女に相手にされない旦那って言うのもちょっと悲しいものが……』

『しかし妻は二人の子供の為に、体力面でも精神面でも頑張っているんですよ。なのに浮気なんてされちゃ、女は許せませんよ』

『父親になるっていうことを甘く考えているんですね』

『だから妊娠中に離婚になるケースが多いんですよ』

『男は一体どういうつもりで…』


「華乃、風呂入っていいぞ」

「──!あ、うん!今入る!」


龍成の声に慌ててテレビの電源を切る。


お風呂上がりの龍成に敢えて目を向けず、着替えを取りに向かう。


やばいやばい、テレビのトーク番組を夢中で見入ってしまっていた。


内容が内容なだけに、自分の状況と近しすぎて他人事には思えなかった。