「いや、来なくていいし」

「なんだと?!お前という奴は……。華乃、どうしようもない男だがよろしく頼むぞ」

「え?!あ、こ、こちらこそ…」

「祖父ちゃんに言われたくねぇよ」


なんだか見た目も話し方もちょっと怖いけど、いいお祖父さんだな。

龍成もすごく慕ってるし、素敵な人だと思う。


あんなに大きな会社の会長なのに会長っぽくない。龍成も歳をとったら、お祖父さんみたくなるのかな。


「それはそうと、婆ちゃんはどうした」


……え?お婆ちゃん?そういえばお婆ちゃんは……


「ああ、あいつはまた何か怒ってふてくされて日本には来んかったわ」

「何か怒ってって、祖父ちゃんがやらかしたんだろ。今度は何やったんだよ」

「何もしておらん。ちょいと若い女と酒を飲んだだけで怒っている」

「酒を飲んだだけ?」

「……その後ちょいと尻を触っただけじゃ!」


………。


「おい。まさか」

「馬鹿な女がセクハラだの何だの騒いで、いらぬものを警察が来よってからに」

「……」

「こら、くそじじい」

「俺は悪いことなんかしてないもんね~!」


……神様、龍成がこれ以上お祖父さんに似ませんように。