「や、わたしは別に…」

「俺は嘘や建前は言えん。嫌いな奴にはいくらでも言えるがな」

「いい歳こいて何言ってやがる」

「お前もそうだろう?俺に瓜二つだからな!」


瓜二つ…。確かに龍成、お父さんよりはお祖父さんに似てるかも。


「そこまで無神経じゃねぇよ」

「ぐはは!やっぱり男はこうでないとな!神田グループを継ぐのは龍成、お前しかおらん!」

「なんで祖父ちゃんはそんなに俺を推すんだよ。親父から聞いたぞ」

「龍一か!あいつは好かん!頭が固くて話しにならん!」


え、お祖父さん、お父さんと仲良くないの?!


「自分の息子だろうが。ったく、家に帰らねぇでホテルになんか泊まりやがって」

「龍一と同じ家になんていられるか!窮屈で死んでしまうわ!何の為に外国に住んでいると思っている!」


そ、そんなに?!


「仕事の為だろうが。んなこと言って、俺の子供が生まれたらどうすんだよ。祖父ちゃんのとこになんて連れていかねぇからな」

「仕事なんぞもう一線を退いとるわ!早くお前が代表になれ!そしたら会長の座を龍一にやって俺は楽をできるというのに!子供が生まれたらお前らの家に行ってやるから気にするな!」