「電話も出てくれなくなったしどうしたの?彼女でもできた?……って、龍成はそんなの作らないか」


まるで彼女がわたしに、以前の龍成を説明してくれているかのよう。


前の龍成を垣間見えた気がする。


「……誰か知らねぇが、あんたら、空気読めねぇのか?」


刺々しく龍成が言うと、ようやく彼女たちがわたしに目を向けた。


気まずいと思いつつも目を合わせると、なぜかにっこりと微笑まれた。


……え、なにこれ。どうしたらいいの?


「龍成、この子に気を使ってるんでしょ。新しい金づるか何か?」


………カネヅル。


「あたし達と一緒に飲もうよ。あたしがこの子よりお金出すから。ホテル代も気にしないで。久しぶりだからラブホじゃなくて高級ホテルにでも……」

「──」

「あ、わり、間違えた」

「ちょっ、龍成…」

「きゃーっ」

「安奈!大丈夫?!」