「わたしは大丈夫ですから!それに痴漢に遭ったのは、龍成やお義父さんに全く非がなくわたしの問題ですし!」

「大丈夫なわけないでしょう!世の中ろくな男がいないわね!以前から考えていたけど、やはり華乃さんにもボディーガードをつけるべきね!」

「えっ!ボディーガード?!」


おおお大袈裟じゃないですか?!


「そうだな。俺といない時はそうした方がいい」


龍成まで!?どうなってんのこの親子!


「本当に本当に大丈夫ですから!」

「なにかあってからじゃ遅いのよ。専用車も手配しておくわ。ただでさえ華乃さんはお仕事の終わる時間が遅いんだから」

「で、でも……」


そんなどこぞのお嬢様じゃないんだから。話の内容が別次元のようだわ。

これはどうしたら……。


「最低二人は必要ね。物騒な世の中だもの」


お義母さんが悩ましげに右手を頬にあてて考え込んでいると、見かねたお義父さんが口を開いた。


「麻友、もうやめなさい。華乃さんが困っている」