お母さん……。


「け、喧嘩というかその、」

「華乃、悪かった。本当に申し訳ない」


龍成がわたしに向けて頭を下げている。


──違う、こんなことしてほしいわけじゃないの!


「ちょっと!龍成、やめてちょうだい!悪いのはわたしの方!わたしが仕事だって理解しないのが…」

「俺はなによりお前が辛かった時にキャバクラなんかにいたことが許せない」


──。


「……それは……。仕事だったんだから仕方ないでしょ」

「真っ当な仕事ならまだ許せる。でもいくら仕事とはいえキャバクラにいたことが、俺は後悔してもしきれない。お前の旦那失格も当然のことをした」


旦那失格って……。わたしこそ妻失格だよ。支えるってことが全くできてないんだもの。


「……旦那でいることに失格も何もないでしょ」

「龍成、華乃さんの辛い時と言うのは……」

「俺がさっきキャバクラにいる間に、華乃は痴漢に遭った」

「──っ!」

「な、なんですって?!」