なんだかお義母さんがあまりに怒っているから、段々申し訳なく思えてきた。


龍成は仕事だったんだもん。譲歩できないわたしが悪かったんだよ。

子供みたいなわたしが……。


「隠し通せればいいだとか、仕事だから華乃さんがわかってくれるだとか、男の都合のいい言い訳にしか過ぎません。二人とも、華乃さんに謝罪しなさい」


しゃ、謝罪?!お義父さんまでも?!


「おっ!お義母さん!わたしは大丈夫ですから!」


いやもうなんならわたしが謝罪を……!


「華乃さん、わたしはこれでもあなたに感謝しているのよ。あのろくでもない馬鹿息子をここまで更正させてくれたんだから」


急にわたしに真剣な眼差しを向けるお義母さん。

戸惑いを隠せないわたし。


だってわたし何もしてないよ。龍成を更正だなんて、できるわけないよ。いつもわがままばかり言って困らせてるだけなのに。


「感謝されるようなことはしてないですよ!わたしは…」

「あなたが原因で龍成が変わったのは事実よ。自ら結婚したいだなんて、以前の龍成なら口にするとは思えもしなかった。それが本当に結婚してあなたの為に会社を継ぐと決意したし、あなたのお陰で仕事をちゃんとしているの。それなのに、こんな馬鹿みたいな理由で喧嘩になってほしくないわ」