「「……」」


龍成とお父さんは何も言えず、気まずそうに視線を交わす。


「龍成!!龍一さん!!」


わわっ!お義母さん、こんな声出すなんて!


お義母さんの張り上げた声に、なぜかわたしがびくっとしてしまった。


「……ヘッドハンティング」

「え?」


重い口を開いたのは、龍成だった。


「親父にヘッドハンティングしろって言われて、その相手がキャバクラ好きな上に性格激悪で、俺に無理難題を押しつけ…」

「なんですって?」


更に強い口調になる。わたしは胸が変にドキドキして落ち着かない。

お義母さん、一体どうしたんだろう。


「だからヘッドハンティングだって……」

「まさかその為に風俗に行ったと言うの?!」

「「……」」


今にも爆発しそうなお義母さん。男二人、黙りこくる。それはもう蛇に睨まれた蛙状態。