一般的には完全に黒だろ。

でも華乃には、俺の嫁には何もないと信じたい。というか俺という完璧な旦那がいるのに、何かあるはずがねぇ。

それでも疑ってしまうのは、自分に自信がないからか?まさか……。


って、こんな俺のどこが完璧だよ、ばーか。


「よくそんな風に人のこと言えるよね。自分は何なの?どうせ今日だって、会社の飲みとか言っといてキャバクラにでも行ったんじゃないの?」


──。


ここでそれを出すのか。まぁ、当然の流れか。けれど話を変えられたことに、本当に何かあったのではないかと更に疑ってしまう。


少し落ち着こうとため息をついた。


「……最近俺に触るなだのなんだの言ってたのは、やっぱりそのことが原因か」

「──っ、」


だよな、その顔じゃ。


「何を勝手に想像してんだか知らねぇけど、キャバクラなんてただの接待の場。仕事で行っただけだっつーの」


本当にそうだから、他意はこれっぽっちもなかったから、だから隠しておきたかったんだ。


「…し、仕事?ご丁寧にキャバ嬢の名刺を持ち帰っといて?しっかり指輪まで外して?それで仕事ですか。大体、隠れて行ってる時点で仕事じゃないでしょ」