だるそうにわたしを呼ぶ龍成。

の隣に移動した。


「わっ」


龍成がいきなりわたしの肩を抱き寄せる。


「こちらが、俺の『婚約者』の桜庭華乃ちゃんです」


こ、婚約者って強調しなくても。

てか手を離せ。──って、そうじゃないでしょ、わたしったら。


「さ、先程はすみませんでした…」

「気にしなくて大丈夫だよ、華乃ちゃん」


うわ…。綺麗な笑顔。

改めて見るとすっごく爽やかでかっこいい人だな。整いすぎてて直視するのも厳しいくらいだよ。

モデルみたい…。


「慧さん、俺の彼女の星です」

「はじめまして、栗原星といいます」


席を立ち、二人が挨拶をする。


「こちらこそ。俺は芦田慧です。こいつらの四つ上で、この店のオーナーやってます」


大人だ…。これぞ大人の男だ。

龍成の周りはまともな人ばかりなのに、どうして龍成だけ違うんだろうか……。