…ということは、今日も行ったんだ……。


なんか、ショック……。


急に心が重くなる。それでも、わたしの口は閉じることを知らない。


「…し、仕事?ご丁寧にキャバ嬢の名刺を持ち帰っといて?しっかり指輪まで外して?それで仕事ですか。大体、隠れて行ってる時点で仕事じゃないでしょ」


─やばい、声が震えてる。こうなってしまってはだめだ。思っていたことを吐き出してしまう。


「あほか。『仕事でキャバクラに行くから』なんて、敢えて言うか?帰ってきて『キャバクラに行ってきた』なんて言うか?仕事で仕方なく行っただけなのに、ただでさえ無駄に妬くお前相手に、んなこと言ったって喧嘩になるだけじゃねぇか」


た、確かに、わざわざ言うのも変だな。


「──でも、隠してる方が怪しいじゃない」

「隠してるつもりなんてねぇよ。言う必要がなかったから言わなかったんだろ」

「そ、それでも、言われないと隠されてる気持ちになるよ」

「仕事で行ったんだ。好きで行ったわけじゃない。つーか俺が金払ってまで女と飲みたいと思うわけねぇだろ。金なんて出さなくたって、いくらでも女は寄ってくるんだから」


……なんかイラッとする。


だけど今だって時間はそんなに遅くはないし、本当に仕事上の付き合いで行っただけかも。